みなさん、クリスマスはいかがお過ごしだったでしょうか
みらい翻訳のカレンダー | Advent Calendar 2022 - Qiita 16日目の記事を、仕事納めに書くという暴挙にでました、みらい翻訳 プラットフォーム開発部の nile です。
みらい翻訳は読書家が多いようで、こんな本を読んだ、そういう話題ならこれがおススメと、さまざまな本について話題になることが多いです。
Slackには情報交換用の#share-bookチャンネルがあり、また「おススメの本を紹介するLT大会」が開かれたりもしました。
そこで、今回、本好きのみらい翻訳メンバーに、「あなたの2022年のオススメ本を教えてください!」と聞いてみました。
なんとなく、普段している仕事の色がでるのかな?という感じのラインナップになりました。たくさんあるので、いくつかnileが気になった本をピックアップしてご紹介していきます。
チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計
現代的な開発チームの構成と必要な要素、課題になりやすいところなどが分かるのと、チーム体制をパターン・ランゲージとして理解することができる画期的な本なので。(プラットフォーム開発部 Chika)
今年結構話題になった本。コンウェイの法則と呼ばれている法則がありますが、この法則の定義自体は非常に短いです。この本はコンウェイの法則をもう少し掘り下げて、実際の組織にどのように適用していくのかを教えてくれる本です。この本を読んですぐに何かを実施するのは難しいかもしれませんが、チーム間のコミュニケーションをどのように改善していくかを考える上で参考になると思います。(プラットフォーム開発部 tosh)
言わずと知れた「ちいとぽ」本。みらい社内でも、この本に書かれていることが、会話に出てくることが多かったように感じます。
この本については、Chikaが、以前詳しく紹介してくれていますので、そちらもご参照ください。
miraitranslate-tech.hatenablog.jp
miraitranslate-tech.hatenablog.jp
Kubernetes完全ガイド 第2版
これから、MiraiTranslatorの基盤はEKSになっていくので、その予習に。 (プラットフォーム開発部 thor )
MiraiTranslatorはAWS上で稼働していますが、EC2上にアプリケーションサーバーが展開されているもの、コンテナ化されECSで管理されているものなど、サービスによってバラツキがあるのが現状です。
今後マイクロサービス化を進めていくなかでは、コンテナ化と、コンテナオーケストレーションシステムの活用は必須となります。
現在、SREを中心に、EKSの活用する方向で検討しています。
上の本を挙げてくれたのは、SREチームではなく、アプリケーション開発を担当しているバックエンドエンジニアですが、SREだけでなくKubernetesやEKSの理解度は、部全体として上げていかなければいけないと考えています。
Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス
ソフトウェア開発における「スタンダード」を知ることができ、自分の中で確たる軸を形成できる (エンジニアリング部 Grad)
684ページにわたる大著ですが、組織文化、リーダー論から、プログラミングの現場のルール、コードレビュー、各種テスト、ドキュメンテーションなどのプロセスのお話、ブランチ戦略やCI・CDといったツール類まで、網羅している範囲がものすごいです。
一気に読み切れるものではありませんが、困ったときにGoogleはどうしてたっけ?と調べられるので一家に一冊あると頼りになるのじゃないでしょうか。
限りある時間の使い方
いわゆるライフハック本が言っている「早起きしたり、優先順位づけしたりすればあらゆる物事をこなせる」という前提は間違っていて、非常に限られた時間で限られたことしかできない、という事実を認めることから始めよう、という話。タスクを持ちすぎる傾向が強い自分にとっては今年一番刺さった本。(エンジニアリング部 lisa)
ぐう、刺さる・・いつも時間とタスクに追われている気がするので、私も読んでみようと思います。
lisaは、こんな記事も上げてくれているので、あわせてどうぞ
miraitranslate-tech.hatenablog.jp
ベイズ統計モデリング: R, JAGS, Stanによるチュートリアル
データ分析を担当する人向けに選びました。近年注目されつつあるベイズ統計について簡単な言葉で、体系的に、そして数式から逃げずもわかりやすく説明している名著です。電話帳並みに分厚いので圧倒されますがこれはわかりやすく噛み砕いて説明した結果です。これを読めば不確実性を伴ったデータを扱う分析に関する視座が一段と高くなると思います。 (プロダクトマネジメント室 Chua)
データサイエンティストのChuaが挙げてくれたのがこの一冊。
こちらも771ページ 税込9,020円という大著ですが、基礎から実践までカバーした名著とのこと。データ分析される方は是非
問題解決の手法は上記の2冊をはじめとして色々あるが、結局アイデア自体をどうつくるかはこれしかない。薄い本だが、だからこそ近道はないということを脳みそに刻み込んでくれる。(CFO Ookii)
CFOのOokiiは、この前にいわゆるロジカルシンキングの本を上げてくれていました。
ロジカル物事を整理した上で、最後、どのように発想するか。ヒントがもらえそうです。
その他紹介しきれなかった本を一気に
プラットフォーム開発部 thor
Kubernetes CI/CDパイプラインの実装 impress top gearシリーズ
ArgoCDについての日本語のまとまった資料はこれしか見つからなかったので。
ある程度の規模の開発で、内部設計まで議論するにはこういった事をしないといけないような気がしています。
プラットフォーム開発部 tosh
普段あまり意識してこなかったMTGなどを効率的に進める方法を学べます。また、ブレストなどの普段何気なくやっていることをどのタイミングで使うと効果的か、といったようなことを改めて学べます。この辺りの知識を全員が持っていて、全員がファシリテーターとして振る舞えると会議が効率的に進むだろうと思って選びました。
プラットフォーム開発部 chika
橋下さんが次々に改革を進められた大きな要素と思われる交渉力について非常にわかりやすく述べられていたので。(Audibleで聞きましたが理解しやすかったです)
エンジニアリング部 Grad
データ指向アプリケーションデザイン ―信頼性、拡張性、保守性の高い分散システム設計の原理
意外と読みやすく、データベースの歴史やモダンなアプリケーションデザインを学べる(まだ途中)
プリンシプル オブ プログラミング 3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則
抽象化の粒度といったソフトウェア開発基礎や常識が文書化されていて、リーダブルコードの次に読みたい本
エンジニアリング部 lisa
採用というよりは、リーダーシップとは何か、という話。外資系企業に長くいた自分にとっては深く頷くポイント多数。
THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
今更感あふれる紹介で恐縮ですが、SaaSビジネス初心者かつマーケティングや営業といった職種に明るくない自分にとっては大変わかりやすかったです。
プロダクトマネジメント室 Chua
データ分析は定量的な分析と言い換えられるかもしれません。「定量的に」、そして「科学的に」目の前の現象を分析するという取り組みはデータ分析にとどまらず、あらゆる業務で求められる技術だと考えています。この点に関して、本書は一般の読者向けにどうすれば「科学的に」、「定量的に」物事を捉えられるかについて説明しています。学術書チックな装丁をしていますがこれも1日くらいで読めるのでおすすめです。
社会科学のリサーチ・デザイン: 定性的研究における科学的推論
上二つではデータ分析、定量的な分析というテーマで書籍を選定しました。ここでは敢えて定性的な分析に関する書籍を紹介しようと思います。本書のメッセージとしては定量的な分析も定性的な分析も実は表裏一体の関係にあるというものです。目の前の現象に関して推論を行うときに定量的なアプローチ、定性的なアプローチのどちらを扱うにしても最終的なゴールはその現象への因果関係的な理解です。特に「観察可能な含意」という概念は圧巻です。本書の一部がPDFでWebに転がってるので興味があればご参照ください。
CFO Ookii
ロジカルシンキングの基本フローが分かりやすく書かれており、このフローを基に、自分なりに肉付けをしていきやすい。
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
ロジカルシンキングの基礎が身についた上で、その発展としてデザイン思考をお勧めしたい。不確実な世の中で戦うための武器と熱狂が得られる。ただ、翻訳が微妙で非常に読みにくいのが難点。
おわりに
いかがだったでしょうか?みらい翻訳の中の人が、どんなことに興味を持っているのかとか、どんな思考・志向なのかとか、なんとなく見えてくるような気がします。
最後に、私nileの2022年の推し本を一冊ご紹介して終わります
ゆる言語ラジオの堀元さんの著作。古今東西の蘊蓄を駆使した悪口が言えるようになります。性格の悪さがでますね(笑)。
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