はじめに
はじめまして、みらい翻訳のプラットフォーム開発部のcidです。
みらい翻訳に来て4年目になりますが、TECH BLOG初投稿になります。「cidはTECH BLOG書かないんだっけ?」という勝手な(本当に勝手な)プレッシャーを感じ、重たい筆を取りました。
最近、自チームでは「リリーストレイン」という考え方を取り入れてみましたので、紹介します。
リリーストレインとはなにか?
システム開発におけるリリースを、電車のように定期化してしまう考え方です。

機能の完成は待たず、その日が来たら絶対にリリースします。
...え、これだけ?
はい、これだけです。
終
制作・著作
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みらい
あ、ブラウザバックはお待ちください!! たったこれだけなのに、チームとしては良いことが多数あったんです。すごくないですか?というお話になります。
なぜリリーストレインなのか?
そもそも、自チームではFour Keysという指標を計測、改善していくことで、エリートDevOpsチームになることを目指しています。
Four Keysはソフトウェア開発のパフォーマンス指標です。
エリート DevOps チームであることを Four Keys プロジェクトで確認する | Google Cloud 公式ブログ
すごく簡単に言うと、「早くリリースできて、障害を起こさない、起きても復旧が早いチームがつよい」ということです。
ただ、このような目標を立てていながら、少し前までは「機能ができたら出す」というよくあるリリースをしていました。

こうなると、リリーススピードはなかなか上がっていきません。実態として...
- 開発の1stコミット〜リリースまでの日数
- 機能A: 約150日
- 機能B: 約90日
という開発もあり、「相対的に見ると、ここの機能はリリースが遅かったね」なんて話題が出ていました。
そこで、「リリーストレインを導入すれば、無理やり早くなるんじゃないか?」という少し強引とも取れるやり方を試してみることになりました。
リリーストレインはいいぞ
「ひとまず、2週間に1回の頻度で絶対リリースしてみるか」という運用をし始めると、課題が多数出てきます。そしてそれに伴う改善も当然、多数行われました。
リリース作業のコモデティ化
頻繁に、そして定期的にリリースを行うので、リリース作業自体の改善が行われました。
例えば...
- リリースノートとか手順とか書くのめんどくさい!
- ドキュメントがテンプレート化されました
- AIを使って補佐されるようにしました
- テスト/QAがめんどくさい!
- 自動テストツールを徹底的に使うようになりました
という営みがあり、誰でも簡単にリリースができるようになりました。
OSS ver UP の定期化
せっかく定期リリースするんだから、ということでOSS ver UPは必ず行うようになりました。
大量のOSSを使っているので、2週間経ってver UPされないものはありません。これにより...
- いきなり大量のOSSがバージョンアップされて大丈夫?!といったリスクが減りました
- OSSバージョンアップ -> テスト -> 開発環境デプロイ まで自動化されました
価値提供の分割
機能が開発途中であっても、
「次のリリースで、出せるものないかな?」
「せっかくリリースするんだから、ここまで出せないかな?」
といった提案が出るようになりました。
実際に、「画面は間に合ってないけど、APIサービスとしては出そう」といったリリースがありました。
... というように、「リリースを定刻化するだけで、とにかく色々なことが改善されている!」と運用から半年経って気づきました。
が、当然辛い事も出てきます。
リリーストレインはいいことばかりではないぞ
まだ完成してないけどデプロイしたい!
「まだ完成はしてないけど、コードリポジトリ運用上デプロイだけしておきたい」みたいなシチュエーションがありました。
ブランチを分けるか?という話もありましたが、フィーチャーフラグを活用するようになりました。
フィーチャーフラグの解説は、以下の記事を参照してください。
これにより、ブランチ管理が複雑化することはなくなり、おまけにシステムの障害耐性も向上しています。
....しかし、プロダクトコードは複雑性が上がってしまっているという事実はあります。なんとか複雑にならないように努めていますが、ここは今後の課題になっていきそうです。
機能開発の実装スピードが落ちていないか?
開発作業の合間にリリースが挟まるので、「ある機能完成までの実装スピード」という観点で見ると、やはり落ちることになります。
ただ、「価値提供」という面で見ると、スピードはあがっているように思います。
- 機能リリース後に重大なフィールドバグが見つかり、切り戻した
- 開発している間にユーザが興味を失った(別のシステム使うわ!...など)
一部でも機能をリリースしていくことで、このようなリスクと、それに支払うコストが低減されているのではないか、と考えています。
一方、ここはビジネス側の方針に応じてバランスを取るべきで、プロダクトのオーナーと認識をあわせることが重要かとも思っています。
リリーストレインを始める前に
いいことが多そうなリリーストレインですが、ある程度効率化されているけど、更に良くしたい!といった場合に有効な考え方ではないか、と考えています。
スコープの調整が効く開発であること
「この日までに、この機能がすべてリリースされていること」が絶対条件の開発では、そこに向けて資源を集中すべきかと思います。
リリースやテストがある程度効率化/自動化できていること
例えば、リリースに厳格な審査や承認が必要だったり、リグレッションテストが手動だったりして、リリース作業そのものが重たい場合はやめましょう。
まずは、リリース作業を軽くできないかを検討すべきかと思います
依存関係が明確なシステムであること
A機能のリリースに、BシステムとCシステムの改修が必須で、それぞれが別チームが管理している場合などはやめましょう。
まずは、システムを疎結合にすべきかと思います。
まとめ
自チームにおいて、「リリースをもっと早くできないか」という課題を解決するために、リリーストレインの考え方を取り入れてみました。
結果として様々な改善が実施され、「リリース作業の効率化」「リリースリスク低減」「価値提供の加速」に繋がったと感じています。
究極的には1日1回リリース!というところまで行けないかと個人的には思っていますので、今後も改善を続けていきます。
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