こんにちは。みらい翻訳のプラットフォーム部 VPoEのSatieこと里山です。
みらい翻訳では、ニックネーム文化がありCEOや上司に対してもニックネームで敬称や役職名を付けずに呼び合うようにしています。「誰が言ったかよりも何を言ったか」を大事にしているのでこのような文化があるわけです。
さて、今回はテックブログ開設にあたり今後記事を投稿することもあると思いますが、そのときに、「おまえ誰やねん?」と思われる方もいらっしゃると思いまして、私が何をやっている人か、VPoEとして何をやってきたのかというのをブログ初投稿とさせて頂きたいと思います。「なんや、誰が言ったかを気にしているのか?」と思われた方、素晴らしいクリティカルシンキングをお持ちですね。是非、私と面談しましょう!
もともとはエンジニアです
さて、現在VPoEを拝命している私ですが、もともとはエンジニアです(今でも心はエンジニアです)、それも、寝落ちするまでモデリングしているような生粋のエンジニアでした。そんな生粋のエンジニアが、みらい翻訳というベンチャー会社とどうやって接点をもったかですが、2007年というGoogle音声検索が世に出るか出ないかくらい前から10年以上、音声認識エンジンや音声認識のシステム開発にジョインしていたところから始まります。音声認識システムでは設計全般、プロトコル仕様策定も行い、「あれ、俺」と言えるくらいに貢献したのかなというのと、その開発でとてもいい出会いに恵まれた結果です。そして人づてに、みらい翻訳の現CEOのdannyと出会い、明け方まで機械翻訳の未来について熱い思いを聞き、2017年8月にみらい翻訳にジョインすることになったのです。
VPoEって何?
VPoEって役職はVice President of Engineeringの略でして、エンジニア組織が作り出す成果の価値を最大限にするのがミッションだと私は理解しています。より具体的な役割は、組織によって多少の違いはあると思いますが、概ねエンジニア組織(開発チーム)の開発プロセスの改善やチームビルド・採用、人事評価、技術方針の承認、会社の目標を開発チーム全体の目標へのブレイクダウンするなどだと思います。
2019年6月からVPoEを担っている訳ですが、私が統括しているみらい翻訳のMirai Translator®の開発チームにはVPoEはそれまで存在していませんでした。なぜなら、いわゆる0→1フェーズというプロダクトが売れるかどうか分からないときには、とにかくプロダクトを作ってユーザーに刺さりそうことを開発して出すことが最優先!なのです。
そして現在、より効率的な開発プロセスや、よりスケールできる開発チームは、1→10に向かうフェーズでは必要条件ですので、当然そのことをメインで考えるVPoEが必要になったのですね。
VPoEとして何をやってきて、何をしているのか
私がVPoEになって最初に手を付けたのがDevOpsの推進のためのSREチーム作りです。
エンジニアリングマネージャー(EM)のchikaがデブサミ2021 Summerでお話したように、当時は安全サイドに倒した堅いデプロイなどの運用手順でした。ただし立ち上がったばかりの機械翻訳マーケットで何がユーザーに刺さって行くかは不透明の中、開発の価値提供が遅い事は大きな課題であるという認識でした。そこから約2年、まだCI/CDの仕組みやToil削減などタスクは山盛りですが、SREチームのメンバーを中心に開発チーム全体にDevOpsのマインドは育まれつつあります。
そして次に取り組んだのが、アーキテクチャの見直しです。2016年9月 Googleが深層学習を用いて機械翻訳の精度を大幅に向上させたGoogle翻訳を世に出しました。当社でもその衝撃は大きく急いで2018年1月に正式サービスインさせました。その背景と私たちの予想を遙かに超えるユーザー数の増加、これにより技術負債が開発コストの押し上げるという課題が顕在化することが想定されました。ただ、ここはとても難しいのですが、すでに日本のドーム球場のいくつかを満員にするほどの登録ユーザーがいる中でアーキテクチャを刷新というのはリスクとコストが大きすぎますので、ストラングラー(フィグ)パターン(※Martin Fowlerの投稿を是非弊社のお試し翻訳でどうぞ!)で徐々に置き換えるという戦略でマーケットの要求に柔軟に対応できるプロダクトを目指しています。
さらに最近はQAチームの価値を上げる取り組みもしています。特にGoogleのセキュリティのシフトレフトのドキュメントの考え方を品質全体に拡張して、QAチームのエンジニアをAutometerから一歩先にすすめるために模索をしています。
他には、DevOpsからスタートさせた開発スタイルをBizDevOpsの一つの実装のあり方であるフルサイクルエンジニアリングの考えを取り入れて開発をより自律的に進められないか考え、トライし始めています。
長くなりましたが、これらが現在のVPoEとして開発チームに価値を最大化するために私が主に取り組んでいるものになります。
私のみらい翻訳との出会いと同じように、エンジニアとして「あれ、俺」があると評価を表現しやすいので、是非ジョインしているエンジニアには「みらい翻訳の?あれ、俺」と言えるプロダクトに仕立てていきたいなと考えています。そのために私一人が考えるだけでは残念ながら力不足なので、チーム全体で考えていける体制にしていきます。
最後に
さて、みらい翻訳に興味もたれた方はカジュアル面談もオープンにしているので、Meetyか弊社の採用サイトからご連絡ください。meety.net
おまけ
ちなみにSatieと名乗っていますが、クラシック音楽には全く縁がありません。全くの語感でニックネームを付けました。ニックネームは自己申告制ですが、2週間ほどで慣れます(CEO談)。唯一のデメリットは、カレンダーで会議招集するときのメールアドレス入力時に本名が出てこずに苦労するくらいですかね。